今日は、日曜日。
毎木日曜日にエルアルトと呼ばれる低所得者層が住む地区で、大規模なマーケットが開かれます。
そのマーケットでは、DVD、CD、古着、靴、アクセサリー、電気製品などなどありとあらゆる物が売られています。
服も、パタゴニア、コロンビアなどのフリースなどが格安の値段で手に入るとあって、旅人のみんなも買い込んで日本に送ったりしています。
そんな多くの店が並ぶマーケットなので、その広さも尋常ではないくらい広い。
僕も3、4時間歩き回ったのですが、多分、まだ半分のエリアも見ていないのではないのでしょうか。
そして、夕方4時からは、そのマーケットのすぐ横で開催されるルチャリブレを見に行きます。
ルチャリブレとは、プロレスのこと。
あんまり買い物に興味のない僕にとって、むしろこちらが本日のメーンイベント。
それは、小さな体育館のような場所で行われます。
10ボリバールくらい(約170円)の安い席もあるのですが、外人はリングサイドの席である45ボリバールのチケットしか買えません。
そのため、僕のスポーツ観戦史上、初めてのリングサイド最前列の観戦となりました。
レスラーはやはり覆面レスラーが多く、それも忍者ボリビアーノ、軍服を着たコマンドなんたらなどバラエティーに富んだ人たちが勢ぞろい。
その中には、髪を三編みしスカートを履いた典型的なインディヘナの女の人の格好をしたレスラーもいます。
そんな女の人がトップロープからスカートをはためかせ、華やかに飛び降ります。
う〜ん、これぞボリビアンプロレス。
しかし、はっきり言って、そのプロレスのレベルは目を覆いたくなるほど酷い。
技の掛け合いも、すごくぎこちがない。
流れるようにとはいかず、よいしょ、よいしょ、という感じでたどたどしい。
体つきもぽっちゃりしていて、腹の脂肪がたぷんたぷんとしているレスラーも数多く。
試合後半になると息切れしてきて、更にぐだぐだとした試合内容になっていきます。
そんな試合を観戦するボリビア人たちはどうなのかと言うと、これがその試合内容にそぐわない程の盛り上がり。
山高帽をかぶったインディヘナのおばちゃんが、拳を突き上げブーイングなどをしていたりします。
試合が進むに連れ興奮してきた観客は、みかんの皮、ペットボトル、お菓子などなどをリングのプロレスラーに投げつけます。
そんな物が僕の頭上を次々に飛んで行くのです。
しかし、物が飛んでくるのは後ろだけとは限りません。
場外乱闘中のレスラーも前の柵を押し倒し、飛んで?きます。
いやいやボリビアンプロレス恐るべしです。
試合は進み、最終試合となりました。
そこで今までのレスラーとは体つきも雰囲気も違う、これぞ正義の味方というかっこいいレスラーが登場。
子供たちもその名前を叫んでいます。
試合が始まると、その正義のレスラーは悪役レスラーの反則攻撃によりぼこぼこにやられます。
これぞ、プロレスの王道パターン。
ぼろぼろになった正義のレスラーは、もうこれまでかと言うとき、みんなの声援により一気の反撃に出て、最後の最後で大技を決め悪役レスラーをやっつける。
試合は進みますが、相変わらず正義のレスラーはふらふらになって相手の攻撃を耐えています。
試合も終盤に入りもうそろそろ反撃かと思った頃、リングアナウンサーも正義のレスラーの名前を連呼し会場を盛り上げます。
ちびっ子を中心に場内は大合唱。
果たして、どのような展開で逆転するのか。
固唾を飲んで見守ります。
悪役レスラーが、正義のレスラーを押さえつけます。
ワン、ツー、‥‥スリー!!!
えっ、スリー????
悪役レスラー勝っちゃいました‥‥。
場内シーンと静まりかえります。
子供たちも、呆然。
重苦しい雰囲気の中、みんな会場を後にしていきます。
おいおい、これでいいのかボリビアンプロレス。
恐るべしです。