キングストンでは、あまり観光する所はありません。
観光名所って言っても、ボブマーリー博物館くらいのもんでしょうか。
いったい何をするのかといいますと、ずばり、夜遊びです。
夜遊びといっても、男性諸君が期待するようなお遊びではなく、ここでは音楽です。
毎晩、市内のあちこちでクラブイベントが開かれているのです。
もちろん、日本のような屋内のクラブもあるのですが、ここで熱いのは屋外で開催されるもの。
僕は、日本ではクラブなんてほとんど行ったことはないのですが、ここに来て行かなければ何をしに来たのか分からないってもんです。
開催される場所は、曜日によって違います。
今日は、宿から歩いて10分くらいの場所です。
夜11時、同じ宿の人10名くらいで一緒に向かいます。
女の子たちの格好、化粧はさらにパワーアップ。
気合入りまくってます。
その点、自分の格好のみすぼらしいことといったら‥‥。
僕は、まだ男なんでいいでしょうが、ここに間違って女の子のバックパッカーが来てしまったら、かなり辛いと思いますね。
会場に着き、男だけ入場料を払います。
女の子は無料です。
差別だ〜。
その会場は、200人も入ればいっぱいになるぐらいの大きさなんですが、そこにでっかいスピーカーがでんと据えらいるのです。
そして、そこから大ボリュームでがんがん音が流れるのです。
流れている音楽は、ズンチャン、ズンチャンとしたのんびりとしたレゲエではなく、かなりアップテンポでリズムの効いた音。
僕は、あまりレゲエやクラブミュージックには詳しくないんだけど、これもレゲエの一種なんでしょうかねぇ。
会場では、ビールやお酒も売られていまが、それと一緒に、マリファナ売りの兄ちゃんもうろうろしています。
普通、マリファナは葉っぱだけを細かくして小さなビニール袋に入れて売っているもんですが、ここでは葉っぱをつけたまま茎ごと乾燥させた物を束にして手に持って売っています。
一応、ここジャマイカでも法律で禁止しているのですが、そんなことは関係ないとのごとくみんな吸っています。
それは、こういう場に限ったということではなく、昼間っから街角でも吸っていて、気持ち良さそうに目を充血させた人がいっぱいいます。
ここまで許しているなら合法にしたらいいとも思うのですが‥‥。
警察の賄賂の収入が減ってしまうからでしょうかね。
最初は、まばらだったお客もだんだんと増えてきて2時くらいにはピークを迎えました。
踊っている人達のテンションも上がってきます。
普通のダンスだけではなく、ジャマイカ独特のものもあります。
僕はここに来て初めて見たのですが、それはその〜あの〜、大変言いにくいのですが、その〜、あれですね。
まぁ、夜の営みと言いましょうか、そう、セックス風の踊りなんです。
もちろん服は着ていますが、男女がペアになり激しい音楽に合わせ腰をふりふり踊るのです。
前から後からなんとも激しい。
女の子の腰使いは、人間技とは思えぬほど小刻みに激しく動く。
これ、踊りっていうよりそのまま?
いや〜、こんなものダンスって言っていいのでしょうか?
3時にその会場はお開きとなりました。
そして、これから宿に戻る‥‥のではなく、タクシーに乗り次なる会場に向かいます。
次は、パサパサと呼ばれているイベントで、かなり有名らしいです。
4時くらいに着きましたが、まだ人はまばら。
ここは、道路脇の広場にスピーカーを置き、先程と同じように大ボリュームで音楽を流しています。
入場料はなし。
入場料って言ったって、別に囲いとかしてある訳でもなく、ただの道路ですからね。
しばらく眠い目を擦りながら待ちますが、日が昇る6時頃になるとだんだんと人の数も増え盛り上がってきました。
こんな場所のどこで踊るのかと不思議に思っていたのですが、なんと道路の両側に別れ、向き合うようにして踊るのです。
もちろん、そこには車がたくさん通るわけです。
みんなそんな車に関係なく踊りまくります。
もちろん、車はのろのろ運転や、止まることを余儀なくされ、渋滞もできます。
これが日本だったら、と言うか世界中どこの国でも、ドライバーはクラクションを鳴らし怒りまくると思います。
しかし、ここではみんな何も言わない。
仕方ねぇなぁみたいな顔をしています。
中には楽しんでるねぇみたいな感じで笑顔のドライバーもいます。
ちなみにパトカーもたまに通るんですが、これまた何も言いません。
こうして、7時、8時と更に熱狂の度合いを増して行くのでした。
僕は、あまりの眠たさに8時頃に宿に戻ったのですが、いつまで続いたことやら。
しかし、ジャマイカ、どう考えてもおかしいです。
なんで、夜中に大音量で音楽を流されるのに、周辺住民は文句を言わないのか。
交通の妨げになっているのに、ドライバーも警察も何も言わないのか。
しかも、これが行われているのは、普通の木曜日の朝です。
カーニバルのように一年に一回のお祭りではないし、週末でもない。
このようなものが毎日どこかで行われている‥‥。
こんなこと普通の常識じゃ考えられない。
昔、インドを旅した時に道路に普通に牛や猿がいてカルチャーショックを受けたものですが、ここもそれに匹敵する異次元の世界。
ジャマイカ、恐るべしです。