コレクティーボ(バスとタクシーの中間のような乗り物)を乗り継ぎ、ティエラデントロに移動。
サンアグスチンも田舎で観光客も少なかったが、ここは更に山奥にある村。
銀行もないし、レストランも数軒しかなく、観光客もほとんどいないと言っていい。
ここの遺跡を見るために入場料を払う時、台帳に名前などを記入するのだが、それを見ると観光客は一日に一人来るか来ないかといった感じ。
ここの遺跡群は地下に造られた墓の跡なのだが、何ヶ所かあるその遺跡には、その入口のカギを開けてくれる係のおっちゃんがいる。
そのおっちゃんと話をしても、7、8月は少し増えるが、大抵は1日に一人とか二人とかしかこないみたいだ。
来るか来ないか分からない観光客を待ち、そこで一日を過ごす。
これは楽な仕事なのであろうか、それともキツイ仕事なのであろうか。
昔、僕はプールの監視員のバイトを一日だけやったことがあるのだが、その時はあまりにも退屈過ぎて苦しんだ記憶がある。
そのプールが市民プールで、おばちゃんと子供しかいなく目の保養にもならなかったことも大きな要因ではありますが…。
まぁ、ここの係のおっちゃんに言わせると掃除やなんやら他にも仕事がいっぱいあって大変なのだ一緒にしてもらったら困ると怒るかもしれませんが…。
それでも、なんとなく可愛そうに思い、僕にしては珍しく自分から進んでチップをあげてしまいました。
ここの遺跡もやっぱりそれ程たいしたことはない。
しかし、そこへ至るまでの道中がおもしろい。
村の運動場みたいな所を通った時は、子供たちにサッカーに誘われ1時間程日本のサッカーレベルの高さ(低さ)を見せつけてやり、農家の近く通った時にはコーヒーの実の皮を剥いているところを見学させてもらったり、村の学校から山の中にある家に帰る小さな女の子と一緒に山を歩いたり(本当に小さな女の子がきつい山道を驚くほどの身軽さで歩いていきます。)と飽きることはない。
もちろん遠くまで見渡すことのできる山々の景色はすばらしい。
2時間ほどかけて山の天辺にある遺跡に着いた時には、その遺跡自体よりもそこから見渡せる景色に興奮したくらいです。
その遺跡から山の尾根に沿って下り始めた時には、狭い山道で一頭の馬と遭遇した。
こんなほとんど人が通らないような山の天辺に何故馬がいるのかすごく不思議な気がした。
この馬は、人に慣れているのか、触っても逃げない。
じゃあねっと言って歩き始めると、その馬は僕のすぐ後ろをぴったりとついてくる。
なんて可愛いのでしょう。
15分ほど一緒に歩いたでしょうか。
このまま宿までついてくるのかなと思いましたが、馬は立ち止まり草を食べ始めるとついてこなくなりました。
馬に別れをつげ山を下り宿に着くと、夕方6時になっていました。
9時間ほどうろつきまわったことになりますが、本当にほんわかと楽しい一日でした。
夜、昼間の良い天気がウソのように、強い雨が降り続けました。
山の上の馬は大丈夫だろうかと少し心配になりました。