たびタビ旅
旅日記。中南米、アジアなどの2年4ヶ月半の旅。

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オリンピック観戦をいったん中止して病院に行くことにします。
パキスタンで骨折した指に入っている鉄のピンをとってもらいにいくのです。
一ヶ月ほど前、カシュガルの病院に行った時は、まだ骨が完全にくっついていないということでとるのは駄目だと断られたので、再チャレンジということになります。
どこの病院に行くか迷いましたが、日本の援助で建てられたという「中日友好医院」という所に行くことにします。
朝9時過ぎに病院につくと、ロビーは既に黒山の人だかりです。
この前カシュガルの病院ではかなり待たされたので、今日もまた長い一日になりそうだと少しげっそりとした気持ちになります。
それでは、まず受付はどこだ?
ロビーを見渡すと案内係っぽい看護婦が目に入ります。
話しかけると、英語が通じます。
さすがに北京であります。
カシュガルではドクターでさえ英語を話せなかったからね。
診察を受けたいのだがどうしたらいいのかと訊くと、エレベーターで4階まで上がり降りて右手の部屋へ行けと言われます。
そして、その通りに4階まで上がり「高干間」と書かれている部屋に入ります。
そこは先ほどのロビーの騒がしさが嘘のように静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。
受付のような所があったので、診察を受けたいのだが‥‥と言うと、申し込み用紙に名前を書くように言われます。
もちろん英語は通じます。
書き終わると待つこともなしにすぐにドクターのいる診察室に通されます。
ドクターは年配のおじいちゃんです。
英語はもちろん通じるだろうなとは思っていたのですが、片言の日本語で話しかけられた時はちょっと驚きました。
中日友好医院だけに、昔、日本に留学した経験でもあるのでしょうか。
僕は少し安心し、怪我の状況を説明して鉄のピンをとってもらいたいということを言います。
それで、まずレントゲンを撮ってみましょうということになりました。
そして、レントゲン室に行ったのですが、ここも待たずにすぐに撮ってもらうことができました。
すばらしい。
この前、カシュガルでレントゲンの写真を受け取るまでに3時間ほどかかったことが嘘のようです。
レントゲン写真のできあがりを待っている間、この部屋の「高干間」とはどういう意味なのだろうと辞書で調べてみました。
すると辞書には「高級幹部」と出ているじゃありませんか。
どうやらここは、共産党のお偉いさんや金持ちの人、外国人のための診察室のようなのです。
ですから治療費はちょっと高いものの、こんなにスムーズに診察を受けることができるのだと納得しました。

それにしても社会主義としてできた国が、今ではお金を持っているか持っていないかで病院での待遇も違ってくる超格差社会。
地方と中央の町もこれが同じ国かと思うくらい違いがあります。
ウイグルでは町にロバ車が走っている一方、北京では地下鉄がたくさんあり、それに乗っている人たちは日本と同じような格好をして、携帯ゲームPSPで遊んでいたりします。
あれほど僕をイライラさせた携帯電話のマナーですが、ここでは日本と同じように静かに使い、音楽もイヤホンで聴いています。
こんな国を共産党という名の党が実権を握り仕切っているというのはちょっと笑えますね。
はたしてこの国は将来どうなっていくのでしょうか。

10分ほど待って、レントゲン写真ができあがります。
それを見るとまだ完全に骨はくっついていないように見え、なんともいやな予感がします。
おそるおそるドクターにそれを差し出します。
ドクターは光にかざしじっくりと見ます。
そして、僕に「とりたい?」って訊いてきます。
もちろん僕は「とりたい!とりたいです!!」と答えます。
「でも、大丈夫なのですか?」
ドクターは、まだ骨は完全にはくっついてないけど、もう怪我をして時間もだいぶ経っているのでとっても大丈夫だ、と言ってくれます。
「心配ならもう一ヶ月、このままにしとく?」と言われますけど、もちろんとってもらいますよ。

それでいよいよ鉄のピンを抜くことになります。
パキスタンの病院の先生は、簡単、簡単、そんなもの一分で終わるよ、とは言っていましたが、本当にそんなに簡単で痛みはないのでしょうか。
麻酔注射とか打つ必要はないのか。
ちょっと心配になってきます。
ドクターは鉄のトレーと、ちょっと大きめのハサミのようなピンセットのようなものを持ってきます。
僕は手をトレーの上に置かされます。
そして、ドクターはそのピンセットで僕の指から出ている鉄のピンを挟み、軽く捻りながら引っ張っていきます。
おお〜まったく痛くないです。
それに本当に簡単にとれます。
不思議なもんです。
とり終わると、指を消毒し、絆創膏を貼られ終了です。
これで4日後には穴もふさがるので手を水に濡らしても大丈夫だと言われます。
よっしゃ〜。
この2ヶ月あまりシャワーを浴びる度に手にビニール袋をかぶせないといけなく、本当に面倒くさかったのです。
いや〜これですっきりしましたよ。
| sin | 中国(3) | 15:40 | comments(3) | trackbacks(0) |


明日の昼には列車で次の町へと移動するので、実質今日が僕にとっての北京滞在の最終日となります。
まだオリンピックは野球とソフトボールしか見ていないので、なんとかまだ他の種目も観戦してみたい。
じっくりとオリンピックのスケジュールを見て今日の予定を立てます。
よし、やはりレスリングだ。
前回は見れなかったが、せっかくの機会だからやはり見てみたい。
試合開始の1時間前の8時半に会場に着きます。
今日は、前回と違い、ダフ屋の姿もちらほらと見えます。
値段を訊くと、500元(約8000円)とか600元とか言ってきます。
やはり高い値を言ってくるねぇ。
しばらく待ってみます。
試合開始が近づくにつれ、チケットを求める人、ダフ屋ともその数が増えていきます。
あちこちで商談が行われています。
だいたいダフ屋の言い値は300元ぐらいが相場になってきているようです。
僕は200元で買おうと決めます。

北京オリンピックでのダフ屋には2種類の人たちがいます。
ひとつは、日本にいるようないかにもって感じの胡散臭そうなグループです。
こういうプロフェッショナルなダフ屋はかなり言い値が高く、値段もなかなか下げてはきません。
もうひとつのグループは、一般の人でたまたま余分なチケットを手に入れたからこの機会に高く売って小遣いを稼いでやろうという普通の人たちです。
こういう人たちも最初の言い値はかなり高いのですが、試合開始が近づいてきてくると売れなかったらどうしようと心配し弱気になるのか一気に値段を下げてくることが多いです。

もちろん僕はこの後者のダフ屋を中心に値段交渉をするわけです。
しかし、今日はなかなか値段を下げてきません。
300だと言い張ってきます。
こいつら欲の皮をつっぱらせやがって〜。
ふと横を見るとロシアかどこかの体のごっついレスリング選手がチケットを求めて、大学生っぽい中国人の男の子とチケットの値段交渉をしています。
そのレスリング選手は200元で買うと言い、大学生もしぶしぶそれに応じたようです。
あちゃ〜先を越されちゃったなぁと思って見ていると、そのレスリング選手はチケットを受け取った途端、やっぱり100元しか払わないと言い出します。
大学生は必死に駄目だ200元だと言いますが、いやこのチケットの元値は100元なのだから100元しか払わんと言い張ります。
男の子は涙目になってチケットを取り返そうとしますが、体重が100キロ以上はありそうないかついレスリング選手に敵うはずはありません。
そこに警察官もいるのですが、もともと違法行為だけに助けを求めることもできません。
そして、レスリング選手は100元を無理やり彼に握らせると、ゆうゆうと会場の中に入っていきました。
ひっで〜。
チケットを高く売りつけて儲けてやろうというやつらにはむかつきますが、さすがにこの男の子にはちょっと同情してしまいました。
ダフ屋稼業も楽じゃないですね。

そんなことを見たりしている内に試合開始時刻が迫ってきました。
300元より安いチケットは見つかりません。
ちょっと焦ってきます。
もう300元で手を打つしかないのか。
その時、チケットを手にしたたずむカップルを見かけました。
チケットを売っているの?と声を掛けます。
そうだと言うので、値段を尋ねます。
すると、100元というじゃありませんか。
おお、元値そのままの値段じゃありませんか。
なんてすばらしい人たちなのでしょうか。
どうやらいらないチケットを持っていたからそれを儲けなしに売りに来たようなのです。
これですよ、これ。
これがあるべき姿じゃないですか。
感謝、感謝です。

そして、入場した会場。
客の入りは6、7割といったところでしょうか。
ほんとこれでチケットが売り切れっていうのは納得できません。
席は前から4列目というすごく良いところでした。
さっきにカップルに再び感謝です。
会場にはレスリングマットが3つ設置されています。
電光掲示板や大きなスクリーンも備え付けられており、僕が学生時代に試合した会場とえらい違いです。(そりゃ、同じだったらそれはどれで寂しいものがありますけど。)
世界最高レベルのレスリングをこの目で見ることができるんだと思うとちょっと感動します。
かつては僕もこの舞台を目指したものだ‥‥。
あの激闘の日々が脳裏に浮かびます。
‥‥って、嘘つきました、ごめんなさい。
本当はいつも一回戦負けの弱小レスラーでございました。

試合は3つのマットで同時に行われていきます。
今までレスリングの試合を見てあまりおもしろいなと思ったことはなかったのですが、久しぶりにこうして間近でみるとなかなか興奮してきます。
もちろんレベルが高いというのもありますが。
日本人も一人出場しました。
残念ながら一回戦で負けてしまいましたが、日本人を応援できて良かったです。
やっぱり観戦にも力が入るってもんです。
試合は準決勝まで実施され、2時間半ほどで終了しました。
いや〜久しぶりにレスリングをやりたくなってきましたよ。
多分、いや確実に、1分間もしない内に息も絶え絶えに死にそうになることは間違いないですけど‥‥。

レスリングを見終わり、次は14時15分からのハンドボールの試合を見に行くことにします。
その試合はまだ準々決勝だし、チームはポーランド対アイスランドという国なのでチケットが手に入り安いのではないかと思ったのです。
しかし、チケットがない。
高くて手に入らないということではなく、ダフ屋でさえ会場の周りにほとんどいないので買おうにも買えないのです。
ハンドボールってこんなに人気があるのか?
しかし、どうやらチケットの売り方に問題があるようなのです。
この日は12時からと14時15分からの二試合の試合が組まれていたのですが、どうやらその2試合の通しのチケットのようなのです。
なので12時の試合前にダフ屋は売り切ってしまったのではないでしょうか。
ですが、それにしてもこのチケットの販売方法もおかしいような気がします。
なぜ違う試合を通しのチケットにする必要があるのか。
ほとんどの人がどっちかの自分の国が出ている試合が見たいはずです。
ですから自分の見たい方の試合だけ見て帰ってしまう人も大勢いるのではないか。
そのため観客席ががらがらなのにもかかわらず、チケットを買えない人もまた大勢いるのではないか。
こんなおかしい話はありません。
僕は別にどうしても見たいという訳ではなかったので簡単にあきらめがつきましたが、チケットが手に入らずに途方に暮れているアイスランド人の姿を見たときはちょっと可哀想な気がしました。

さてハンドボールが見れなくなり、これからどうしようかと考えます。
そして、歩いているとふと郊外にあるカヤック、カヌーの競技場へ行くバスのバス停が偶然、目に入ります。
あわててメモ帳をめくります。
そこにはカヌー15時半〜と書き込んでありました。
現在、14時20分。
多分、間に合う。
ということでカヌーを見に行くことに決定です。
バスは14時半に来ました。
高速道路を走り飛ばしますが、なかなか着かない。
会場は遠いとは聞いていましたが、これ程とは思いませんでした。
ちょっと焦りがでてきましたが、なんとかバスは15時25分に到着。
次の問題はチケットです。
会場に走りながらダフ屋を探します。
一人プロっぽいおっちゃんがいたので、高いだろうなぁと思いつつ訊くと、なんと100元だというじゃありませんか。
元値は50元だし、そう悪くはありません。
時間もないことだし、即決で買うことにします。
しかし、そのおっちゃん、安すぎたかと思ったのだが、やっぱり200元だと言ってくる。
それならいらないと言うと、あっさり100元で。
よしよし、いい感じです。

会場に入って驚いたのは、席はほぼ満席だということ。
会場はこんなに遠いし、カヌーなんて人気なさそうだし、予選のレースだし、ほとんど誰もいないんじゃないかと思っていたのでびっくりです。
カヌーの競技なんて今まで見たこともないし、どんなものか全く想像もつかなかったので、どんなんだろうと興味を持って席につきます。
競技は、両端に水掻きがついた櫂をもって座りカヌーの左右で漕いでいくものや、片側だけ水掻きのついた櫂をもってカヌーの上に片膝をついて立ちカヌーの片方だけで漕いでいくという2種類があり、それをまた1人で漕いだり、2人で漕いだり、4人で漕いだりするものがありとバラエティーに富んでいます。
日本人も4人乗りの競技に出場し、見事予選通過を果たしていました。
遠くの方でスタートし、観客席の近くのゴールを目指します。
水路の横には細い道があり、そこをコーチが自転車に乗って伴走し声を掛けています。
観客も目の前に来た時には自国の選手に向かって声援をあげ盛り上がります。
しかし、地味な競技ではあります。
会場ではレースの様子をを英語でかっこよく実況したりしてなんとか盛り上げようとはしているのですがね。
まぁ、見ていて大興奮ってわけじゃなかったですが、オリンピックならではの競技って感じで良かったです。

カヌーを見終わり、市内に戻り、お次は野球場に向かいます。
今日は「日本対アメリカ」が行われるのです。
球場も大きい方なので今日はチケットが安く手に入りそうな気がします。
しかし、試合開始ぎりぎりに着いたものの、ダフ屋は400元、500元、600元とか言ってきやがります。
高すぎます。
野球は2日前にも見たことだし、見ることができなくたっていいやという心構えで、じっくりと値切りに入ります。
試合が始まれば値段は下がるだろう。
しかし、下がりません。
30分経っても、400元、500元、600元です。
こいつら頭おかしいんじゃないかと思ってきます。
もう売れなくて紙切れ同然になってしまうかもしれないってのに。
外国人だからふっかけてきているのかとも思いましたが、どうやら中国人も同じような値段で言われているのです。
日本語を話せるチケットを売っている中国人のおっちゃんがいたので、中国人も本当に500元とかで買う人がいるのかって訊きました。
すると買うといいます。
地方から友達が北京オリンピックのために遊びに来たら、やっぱりメンツがあるから、高くても買って見せてあげないわけにはいかないってこともあるようなのです。
やっぱり中国ってメンツが大切な国なんですね。
試合が始まって1時間経ってようやく200元で売るって人も現れましたが、試合はもう5回も終わってしまっていますからねぇ。
100元だったら買うよっていったら駄目だと言われたので、もう見ずに帰ることにしました。
でも、ここに来て、野球、ソフトボール、レスリング、カヌーと見れたのでまずまず北京オリンピックを堪能できたかたなと思います。
なにかとお金も散財しましたが、ヨシとしましょうか。
それにしても試合が1時間半以上も経過して200元も払って見る人がいるなんて不思議ですねぇ。
ちなみに野球場の横にある体育館で行われていたバスケットボールのアメリカが出場する試合。
なんとチケットの値段は2000元!!とか言ってました。
ひぇ〜。
| sin | 中国(3) | 17:16 | comments(0) | trackbacks(6) |


北京から中国の最南端にある雲南省の省都、昆明まで一気に移動しました。
寝台列車に乗っておよそ47時間。
そして、昆明で一泊した後、今度は寝台バスに乗りラオスへ向かいます。
昆明からラオスの町ルアンパパーンまでの直通の国際バスもあるのですが、国境を個人で越えた方がメリハリもあって退屈しないのではないかと思い、国境近くの町モンラーまでのバスに乗ることにしました。

バスは昼の3時半に出発します。
モンラーまでは14時間ほどかかるようなので、明日の早朝に着くことになります。
14時間はそこそこ長い時間なのですが、それ程苦痛には思いません。
なぜならばバスが寝台だからなのです。
寝台バスとは、車内に座席の代わりに2階建てベッドが並べられているものです。
ですから足を伸ばせるとかいうレベルの話ではなく、完全に横になってごろごろとすることができるのです。
アルゼンチンなどで座席がほぼフラットまでリクライニングするという物はありますが、完全にベッドになっているのは世界広しと言えどもここ中国だけではないでしょうか。
その長い歴史の中で様々な物を発明してきた中国ですが、これも誇るべき発明ではないでしょうか。
それにしても普通に考えれば誰でも簡単に思いつきつきそうなアイデアなんですが、これが他の国にないっていうのは、安全性の面などから法律に規制されているからなのでしょうか。
もしこれが世界的に普及すればバックパックの旅行も随分と楽になるでしょうね。
いやいや、なにぶん軟弱者なもんで。

しかし、この中国の寝台バスにも弱点と言われることがあります。
中国人は好んで革靴を履くからか、足が臭い人が多いのです。
と言う事は寝台バスで横になると、その足がすぐ頭の上にくるわけで、これはたまったものではないのです。
まぁ、これは寝台バスの弱点と言うより、中国人の問題かもしれませんが。
しかし、今回はそういった問題にも悩まされることはなく、快適に過ごすことができました。
経済が発展して、足の臭さも改善されたのでしょうか。

バスはモンラーに到着しました。
なんと時間は夜中の3時半です。
おいおい12時間で着いちゃったよ。
勘弁してくれよ。
いったい朝までどこで過ごしたらいいのだ。
するとバスの運転手は朝までバスの中で寝ていてもいいよと言ってくれるじゃありませんか。
う〜ん、おっちゃんナイスです。
| sin | 中国(3) | 17:43 | comments(4) | trackbacks(2) |
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