いったんバリ島を離れジャワ島に向かう。
ブロモ山に行くのだ。
インドネシアはバリ島だけと考えていたのだが、知り合いにブロモ山もいいよと薦められメールで送ってもらったその風景を見てこりゃ行かなあかんと思ったのだ。
行き方はバリ島のデンパサールから長距離バスに乗りジャワ島のブロモリンゴまで行き、そこからベモと呼ばれる小さなバスに乗りブロモ山近くの村チェモロラワンまで行くのだ。
ベモの最終便の時間が5時なのでそれまでになんとかブロモリンゴまでたどり着きたい。
そうでなければ高い金を払ってタクシーで行かなければならない。
それはどうしても避けたい事だ。
まず朝6時半にクタから長距離バスターミナルのあるデンパサールを目指す。
乗り合いバスに乗り向かおうとするが、朝早いためかなかなか見つからない。
うろうろしているとちょっと小太りの若い兄ちゃんにどこに行くのかと声をかけられる。
バスターミナルに行くというと、俺の車で送ってやると言ってきた。
胡散臭いやつだな思ったが一応値段だけ訊いてみると、4万ルピーときた。
おっ?これは結構安いぞ。
早く出発したいのもあってとりあえず乗ってみることにした。
でも、降りるときにもっと金を渡せやなんやらと因縁でもつけられるのではないかと内心ドキドキしていた。
約20分後バスターミナルに到着。
兄ちゃんは4万ルピーを受け取り笑顔で見送ってくれた。
なんだクタにもいいやつはいるじゃないか。
幸先いいぞ。
15万ルピーを12万5千ルピーまで値切りブロボリンゴ行きのバスに乗車する。
バスは7時過ぎに出発。
ガイドブックによれば8〜10時間ほどかかると書いてあるので、うまくいけば3時には着くかな。
バスはけっこうスピードを出して走る。
前に遅い車があると反対車線にはみ出し抜いていく。
それにしても、こちらではたらたらとゆっくり走る車が非常に多い。
日本ではある程度回りにあわせてスピードを出すものだが、後ろにいくら車が迫ろうと我関せずという感じでしっかりと自分のペースを保つ。
一番前の席に座っていた僕は、心の中でおめ〜らどけどけ〜て叫んでましたが相手にそれが聞こえるはずもありません。
イライラしっぱなしで、ほんと精神衛生上良くないです。
それでもバスは10時過ぎにギリマヌッ港に到着。
ここでフェリーにバスごと乗り込む。
しばらく待った後、ジャワ島のクタバン港まで30分の船旅。
そして、11時半バスはフェリーを降り再び走り始める。
よしこのペースで行けば3時半くらいに到着だ。
少し安心したのもありまた車内もぽかぽかと暖かくなんだか眠たくなってくる。
あれ?
頭上の空調が止まった。
あれ?
このバスえらい静かだぞ。
あれ?
エンジン音してねぇぞ。
このバス惰性で坂道下っているだけじゃないか〜!
10分くらいそのまま走り続け…そして…
止まった。
おいおいどうなってんだ。
運転手、車掌あわてて外にでて修理を始める。
10分後エンジンがかかり再び進みはじめる。
しかし、5分後またしてもエンジンが止まり、バスは静かに坂道を下り続ける。
そして…
止まった。
運転手、まいったなぁと首を振る。
おいおいまいるのはこっちだよ。
また再び修理開始。
30分後、エンジンがかかり再度出発。
バスはおそるおそるながら今回はなんとかエンジン音を響かせながら前に進み続ける。
よしよし頼むよバスちゃん。
これで1時間ほど時間をロスしたかな。
それでもなんとか間に合うか。
しかし、3時半、バスはレストランの前で停車。
ご飯休憩〜。
おいおいまた遅くなるじゃねえか。
何?ご飯は無料?そりゃいいな。
嬉しいやら悲しいやら変な気分。
バス出発。
たのむよ後はノンストップで進んでくれ。
4時半を過ぎる。
4時45分を過ぎる。
これまでか。
しかし、バスはブロボリンゴに到着。
時間は5時5分前。
よし、間に合うかな、どうだ?
そこの近くにあった旅行代理店の中に連れ込まれる。
その時ふとそこにある時計を見ると何故か4時。
そうか〜バリ島とジャワ島には1時間の時差があったのだ〜。
あんなにあせったのはいったい何だったのだ。
嬉しいやら悲しいやら。
そこからベモの狭い車内にぎゅうぎゅうに押し込まれ約1時間半。
夜7時、やっとこさ辿り着きましたチェモロラワン。
標高2000mあまりの高地にある涼しい町。
売店のおばちゃんの人懐っこい笑顔に癒されました。