いよいよ重い腰を上げ、居心地の良いネパールを離れインドへ向かいます。
インド国境の町スノウリまでのバスチケットも買いました。
ここ最近ずっとだらだらとしていましたが、インドへ向かうと決めると気分もいく分しゃきっとします。
いくら旅慣れても、新しく国に入る時は、軽い緊張感を伴うもんです。
それは6年前に続き2回目となるインドも同じであります。
いやインドだからこそいつもより緊張しているのでしょうか。
そして、インドだからこそ心躍るようなウキウキした気分にもなるのでしょう。
バスは夜7時発ですが、夕方5時にバスチケットを購入した旅行代理店へ顔を出します。
バスが出発しないかもしれないので、一度確認しに来て欲しいと言われていたのです。
まぁ、そんなことはないだろうと思いつつ店の中に入ったのですが、答えはなんとキャンセル!!
なんてこったい。
しかも、理由がバスがガソリンを入れられなかったからというもの。
いったい何故このような事態が起こるのかと言うと、現在ネパールでは今度行われる選挙に絡みあちこちで地元住民によるストライキが頻発しており、そのためインド国境からカトマンズへ至る道が封鎖されてしまい車やバスが通れなくなってしまっているのです。
そして、ガソリンをインドから輸入しているネパールは、極端なガソリン不足に陥ってしまっているのです。
そのため少ないガソリンを求めて、ガソリンスタンドには何百メートルにも及ぶ給油待ちの車やバイクの列ができているのです。
僕の乗る予定だったバスもそうした列に一日中並んでいたらしいのですが、順番が回ってこなかったようなのです。
ほんと、なんてこったいです。
この道路封鎖によりガソリンの他にもガスも足りなくなっており、市民の生活にも支障をきたしているようです。
タクシーの値段も倍くらいに値上がりしているようです。
そして、これはストライキとは全く関係ないことなのですが、カトマンズでは毎日必ず停電があるのです。
これはガソリン不足以上に旅行者にとっても非常に辛いことです。
計画停電として朝、夜と1日に2回、3〜4時間電気が使えなくなってしまうのです。
昼間はある程度問題ないとは言え、真っ暗になった夜に停電するのは困ります。
ちょっと良いホテルには自家発電装置があるのでしょうが、僕の泊まっている宿にはそんなものがあるはずもありません。
新婚旅行のカップルならまだしも、一人で真っ暗な部屋でどうして過ごせというのでしょう。
外出してもほとんどの店が蝋燭の光で営業している状態です。
夕飯も蝋燭の光で食べることになります。
蝋燭の光でディナーと聞くとロマンティックで響きはいいのですが、これまた一人ではただ暗いだけであります。
このような状態が田舎の小さな町で起こるというなら理解もできますが、かりにも首都であるカトマンズでこのような事態をまねいているというのが信じられません。
ネパールでは電気を水力発電でまかなっているので、乾季の今の時期にはどうしても電力が足りなくなってしまうという理由があるようなのですが。
それにしてもこのように毎日停電していると、ネパール経済にもかなりの悪影響を与えると思います。
儲かるのは蝋燭屋ぐらいのもんじゃないでしょうか。
そう、カトマンズには蝋燭だけを専門に扱うお店もあるのです。
そんな商売が成り立つ国って‥‥。