旅の間にコンサートに行けたらいいなと思っていたのですが、ここカリでそのチャンスに巡り合えました。
アーチストの名は「ドン・オマール」。
今まで知らなかったのですが、レゲトンというジャンルの中では有名な人らしい。
昨日、学校に行った時にも、たくさんの生徒がコンサートに行くのを楽しみにしていました。
どんな感じの歌手かというと、貼ってあるポスターの写真を見ても「ドン」と名前につくくらいだから貫禄十分の危険な香りのするなかなか悪?な風貌。
そのドンオマールのコンサートが、今日ここカリで行われるということなので、行ってみることにしたのです。
場所は、巨大なサッカースタジアム。
開始時間は6時とチケットには書かれていましたが、そんなに早くからやるはずはないと考え、7時前に到着。
案の定、ステージ上ではなにやら準備が行われており、まだまだ始まりそうな気配はありません。
僕らが買ったチケットは、2番目に安い(約3000円)でスタンド席でした。
もっとステージに近いグランドのチケットになると値段は倍ほどになるので、そこまではちょっと払うことはできません。
会場に入って驚いたのは、会場に来ている人の客層です。
若い子ばかりで、それも見た感じ中学生か高校生かという感じ。
安い席なので、お金をあまり持っていない中高生が集まっているのかということもあるかもしれませんが、それにしても若い。
僕らは、日本人であるということよりも、その年齢により周りから浮いた存在になってしまっている。
10人ほどのグループで来ている子たちが多く、慣れない仕草でタバコをまわし吸いしたりお酒を飲む姿がまたういういしい。
そして、女の子の方が割合的には多いような気がしますが、これがまた可愛い子が多い。
後、何年か経てばきっと美人になるだろうなと思います。
いやいや今でも十分に綺麗ですね。
やっぱりカリは美人の町でした。
8時に前座のアーチストによるコンサートが始まりました。
最初は、小学生くらいの男の子がでてきて、可愛い声で一生懸命歌っています。
なかなか頑張っているのですが、まだ始まったばかりなのか観客はあまり盛り上がってはおらず、席に座ったままでおしゃべりなどをしています。
その後も次々にいろんなアーチストが出てきますが、なかなかドンオマールは出てきません。
そして、客席もだいぶん埋まった8時20分頃、場内の照明が一段と暗くなり、低音のものものしい音楽が流れてきました。
いよいよ、ドンオマール登場です!!
すると周りの観客たちは一斉に立ち上がり、女の子たちはキャーという耳をつんざくばかりの大歓声というか悲鳴をあげます。
歌が始まるとみんな曲に合わせて大合唱。
歌詞どころか今まで歌も聴いたこともない僕も立ち上がり、遠くのステージに立つ米粒ほどの大きさのドンオマールの姿を見ながら、手を叩きます。
いよいよこれから盛り上がっていくぞ〜と思いきや20分ほど歌ったと思うと、あっという間にステージを降りてしまいました。
あれれと思う間に代わりにステージに上がったのがヒップホップのグループ。
彼らはなかなかかっこよく、僕好みのノリの良い演奏を繰り広げてくれます。
しかし、観客はさっきまでの盛り上がりが嘘のように、静まり返っています。
ステージ上から観客に向けてマイクを向けても、誰もそれに応えようとはしません。
おいおい、この変わりようはなんなんだ。
少し可哀想にもなってきます。
僕のそんな思いをよそに、観客たちはステージ上のグループに向かって「帰れ」コールをする始末。
いったいなんなんだ。
そして、10時20分頃、再度ドンオマールが登場。
すると、やはり女の子たちは狂ったように金切り声をあげ、みんなで歌を大合唱。
僕は、間違ってアイドル歌手のコンサートに来てしまったのか?
ドンオマール自身からも危険な香りというのも全く感じられず、NHKに出てくる爽やかなお兄さんにも見えてきます。
歌の曲調も、リズムがきいてノリが良いというより、歌謡曲のよう。
う〜ん、なんか違うぞ。
例えれば、ぐでんぐでんに酔っ払いたくて強い酒をガンガン飲みまくったつもりが、飲んだ酒のボトルを見ると養命酒だったみたいな感じかな。
違うか。
歌い、踊り、キャーキャーとますます盛り上がる周囲と反比例するように、イスにぐったりと座り込み、呆然と遠くのステージを眺める僕らでした。