たびタビ旅
旅日記。中南米、アジアなどの2年4ヶ月半の旅。

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ダラムサラにはダライラマ法王が住んでいるのですが、なんと誰でも気軽に謁見できてしまうのです。
月に1〜3回そういった場が設けられているようですが、いつあるかははっきりしておらず、会えるかどうかは運しだいといったところでもあります。
ですから僕もできれば会えればいいなとそれほど期待せずにダラムサラに来たのですが、なんと8、9、10日と3日間にわたってダライラマ法王によるティーチングが行われるとのこと。
ティーチングとはどういうものなのか、僕には詳しく分からないのですが、どうやらみんなの前で仏教の教えなどを話してくれるようなのです。
これはめったにないことらしく、ダライラマ法王に会えるだけではなくそんな話を聞けることになるなんて、なんてラッキーなんでしょうか。

初日、前もってセキュリーティーオフィスという所で取っておいたティーチング参加の許可証を持ち、午後12時半頃ティーチングが行われる寺院に向かいます。
入口では厳重にボディーチェックされます。
残念ながらカメラの持ち込みも禁止されています。
チェックを受け、階段を上り、ティーチングが開かれるフロアーまで行きます。
そこにはすでに大勢の僧侶、チベット人が座っています。
欧米人の姿も多く見かけます。
僕は日本人が固まって座っているエリアを見つけそこに座ります。
いよいよこれからダライラマ法王に会えると思うとワクワクしてきます。
そして、1時前になりどこからともなくお経を唱えるような声が聞こえてきます。
すると今までざわざわと落ち着きのなかった場内の雰囲気も一変し、少し張り詰めたものになります。
そして、みんなの視線が会場の後ろの階段に注がれます。
しっかり正座の姿勢に座りなおしています。
いよいよです。
階段の下から何名かの僧侶が上がってきます。
その後ろにいました。
ダライラマ法王〜!!
僧侶たちに囲まれ歩いてきます。
わずか1〜2mほどの目の前を歩いていきます。
おおぉ、本物のダライラマ法王だ〜!!
でも、ただのおっちゃんだ〜。
背が低く、顔が大きく、小太りで、少し猫背なおっちゃんです。
顔に笑みをうかべ、時おり回りの人に、よっ!みたいな感じで手を上げています。
しかし、それでも、かっこいいんです。
やっぱりすげ〜。
なんともピースフルな穏やかなバイブレーションが漂っています。
世界中がチベット問題でこれほど騒がれる中、その最も責任のある立場である人がなぜこれほど穏やかでいられるのか。
やっぱりすげ〜のです。

そして、肝心のダライラマ法王のお話。
これが何を言っているのかさっぱり分からない。
もちろんダライラマはチベット語を話しているのですが、そのために理解できないということではありません。
ありがたいことに、こっちに長く暮らしている日本人の方が日本語に同時通訳してくれて、それをFMラジオを通して聞くことができるのです。
それにもかかわらず何を話しているのかさっぱり分からない。
このティーチングは初心者のためのものではなく、ある程度知識を持った人のためのものであるようで、そのため僕には意味が分からない単語が次々に出てくるのです。
いや〜仏教って難しいです。
そんな話を3日間聞き続けました。
意味が分からなくても何か自分の中で変わるかもとかすかな期待を抱いて。
その結果、う〜ん、全くなにも変わりませんでした。
煩悩の塊なもんで‥‥。
しかし、ダライラマ法王と同じ場所にいるというだけでなにか幸せなものを感じたのでした。

最終日、3時頃いつもより少し早くダライラマのお話が終わりました。
すると会場に手にバケツやトレーを持った若い僧侶たちがたくさんあらわれます。
そして、会場のみんなになにかを配りはじめます。
なんだろうと思っていると、それはお菓子やパンなどなのです。
それまで張り詰めていた会場の雰囲気が、一転あっという間に和やかなものに変わります。
なにやら町内会の子ども会の集まりといった感じでしょうか。
みんなお菓子をもらって幸せそうです。
もちろん僕の手にもお菓子はあります。
ドーナツもあります。
もちろん僕も幸せです。
ありがとうございます、ダライラマ法王〜。
| sin | インド2(2) | 16:03 | comments(4) | trackbacks(0) |


ダラムサラより更に西、パキスタン国境にも近い町アムリトサル。
ここはシク教の聖地であります。
シク教は15世紀に興ったヒンドゥー教とイスラム教を批判的に統合した宗教です。
男の人は頭にターバンを巻きつけ、髭を生やしており、日本人がイメージするインド人っていう風貌をしています。
しかし、シク教徒の占める割合はインドのわずか2%ほどしかないのです。(それでもインドは人口が多いので人数はかなり多いのですが。)
なんで日本では、インド人=シク教徒となったのか不思議です。
やっぱりターバン姿というのが強烈に印象に残るからでしょうか。
そして、シク教徒の人は何故かみんな体がでかい。
背も高いし、横幅もでかい。
そんな迫力あるいでたちなのですが、このシク教徒たちはかなり紳士的な人が多いのです。
インド人とは思えません。
教育レベルも高く、高収入の人も多いようです。
この町にはそのシク教徒たちの総本山「黄金寺院」があります。
その名の通り黄金に光り輝く、池の中にたたずむ寺院です。
アムリトサルには夕方に着いたのですが、ちょうど日没の時間で夕日に照らされる黄金寺院を見た時は、ちょっと感動しました。
ここにはシク教徒でない人も髪の毛をバンダナなどで覆えば誰でも気軽に入ることができます。
中を歩いていてもどっから来たのなどと親しげに声をかけられます。
そして、この黄金寺院は巡礼者に食事を無料で提供しているのですが、太っ腹なことに僕のような旅行者でも自由に食べることができるのです。
ということで腹をすかせさっそく食べにいきます。
寺院の敷地内に大きな建物がありそこが食堂となっています。
入口で皿を受け取り、中に入ります。
広いホールがありそこにひかれたゴザの上に一列に並んで座ります。
するとバケツを手に持った男の人があらわれ、バケツの中に入った豆のスープなどを皿に入れていってくれます。
料理は簡素なものですが、案外美味いです。
もちろん無料なので文句は言えませんが。
そして、シク教のさらに太っ腹なことは、無料の巡礼宿を用意しているのです。
もちろん旅行者も泊まることができ、外国人専用の部屋まで用意してくれているのです。
ベッドがぎっしりと詰め込まれたドミトリーですが、もちろん贅沢は言えません。
食べ物に宿までありがたいことです。

疲れていたこともあり夜10時には寝てしまいました。
しかし、夜中、暑さと、なにかちくちくとする痛みを体に感じ目を覚ましたのでした。
体を見ると‥‥あぁ、刺されてます。
南京虫。
う〜ん、無料とはいえこれはちょっと‥‥。
| sin | インド2(2) | 19:55 | comments(2) | trackbacks(1) |


アムリトサルの近くにある国境ワガボーダーは、インドとパキスタンの間を通過できる唯一の場所であります。
明日にはここを通りパキスタンに向かう予定なのですが、今日もその国境へ向かいます。
何のために?
それはこの国境で行われるクロージングセレモニーを見に行くためなのです。
ここの国境は夕方4時で閉じられるのですが、その後インド、パキスタンが一緒になって掲げられている国旗を降ろすセレモニーをするのです。
今まで数々の国境を越えてきましたが、こんなセレモニーをする所なんて聞いたことがありません。
はたしてどんなものなのでしょう。

バスに1時間ほど乗った後、乗合のオートリクシャーに乗り換え国境へ向かいます。
リクシャーを降りた後、さらに500mほど歩きます。
やはりセレモニーを見に行くのか、大勢の人がぞろぞろと歩いています。
水やジュース、セレモニーの様子をおさめたDVDを売りに来る子供たちもいます。
なんかコンサートでも行くような感じがして、ちょっと楽しい気分になってきます。
国境には5時ぐらいに着きました。
そこにはなんとコンクリートで作られた立派なスタンドがあり、そこからセレモニーを見学できるようになっています。
そして、さらに驚くべきことにそのスタンドはすでにたくさんの人で埋め尽くされています。
たかが国旗を降ろすだけのことに、なぜこんなにも人が集まるのか。
週末ならまだしも、今日は月曜日です。
そんなにおもしろいものなのか。
なんとか座る場所を見つけ、セレモニーの始まるのを待ちます。
太陽はかなり低くなっているものの、昼間に日光で暖められたコンクリートの熱がズボンを通して尻にじんじんと伝わってきて、汗がだらだらと流れ落ちてきます。
場内にはインドポップスが大音量で流れています。
そのうちにインドの国旗を持った人があらわれ、それを掲げながらスタンドの前を駆け抜けます。
みんな興奮し、「インド」「インド」と叫んでいます。
すごい熱気です。
さらに観客の数は増え続け、スタンドだけでは納まりきらず、その前の道路にもたくさん人が座っています。
そして、6時になりようやくセレモニーが開始されました。
6、7人の赤い羽根のついた鶏冠のような帽子をかぶった兵隊があらわれ、一列になり行進します。
そして、その中の一人がその隊列から離れ、ものすごく高く足を上げものすごい速さで歩いて国境の門の方へ進んでいきます。
パキスタン側にも同じように兵隊がいて、同じようなことをしています。
そして、門を挟んで向かい合いまるでどっちが高く足を上げれるか競っているようにさらに張り切ってがしがしと動きます。
観客もそれを見て大興奮です。
少しでもよく見ようと立ち上がる人もいます。
するとそのため見えなくなった後ろに座っていた人が怒り、立った人に対して水をかけたりペットボトルを投げつけたりします。
あちこちで怒鳴りあいです。
この熱気、興奮はいっったいなんなんだ。
もう一度いいますが、今ここで行われているのはサッカーやクリケットなどのスポーツの試合ではなく、毎日行われている単なる国旗を降ろすってだけの儀式なのです。
いったいこの儀式のどこにこれほど興奮させる要素があるのか。
インド人、わけ分かりません。
そして、観客の興奮の中、国旗が厳かにゆっくりとゆっくりと降ろされセレモニーは終わったのです。
あれ、これだけ?って感じです。
しかし、周りには満足そうな顔をして帰路につく人々。
おいおい、なんでそんなに満足そうな顔をしているんだ。
本当にそれでいいのか、インド人。
| sin | インド2(2) | 20:37 | comments(1) | trackbacks(0) |
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