たびタビ旅
旅日記。中南米、アジアなどの2年4ヶ月半の旅。

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6年前、長い旅をしていて誕生日を迎えたのが、ここコルカタでした。
今年の寂しい誕生日とは違い、同じ宿に泊まっていた旅で知り合った友達に祝ってもらったのでした。
その時、祝ってもらったのが「オリパブ」というレストランでした。
そこはインドにもかかわらず、ビーフステーキが食え、パブというだけあってビール、ウィスキー等のアルコール類も飲めるという店です。
そこで食べたステーキ、飲んだビールの味は忘れません。
幸せなひと時でした。
そんな思い出のある店なだけにまた行きたいと思っていました。
しかし、それは楽しみでもあり、ちょっと恐ろしくもありました。
もし、食べて美味しくなかったらどうしよう。
あの6年前の楽しい思い出はどうなってしまうのでしょう。
しかし、せっかくこうして再びコルカタに来たからには、やはり食っておかなければなりません。
行こうと決意します。
可愛い女の子が一緒なら更なる幸せな思い出をオリパブに塗り重ねることができるのですが、残念ながらそんな人はいないので、部屋をシェアしていたドミニクを誘います。
オリパブは宿から歩いて15分ほどの場所にあります。
歩いているとなにやらドキドキとしてきます。
中学生時代の同窓会に出るような気分です。
あの娘(ステーキ)は、あのままであろうか。
もっとも現実には同窓会なんて行ったことはありませんが。
店に着きます。
入り口のドアの前で少し躊躇した後、覚悟を決めえいやっと中に入ります。
そして、目の前にある階段を上がります。
上がりきると、そこには記憶のままの風景が広がっています。
4人がけのテーブルが3列に5席づつくらい並んでいます。
楽しそうに騒ぐ若者のグループ、ビールを飲みながら静かに話すおっさんの二人組み、ひとりでちびちびとウィスキーを飲むおっちゃんなど様々な客で賑わっています。
たった一つ空いていたテーブルにつきます。
ウェイターがうやうやしくメニューを持ってきます。
メニューにはたくさんの種類の料理がのっていますが、注文するものはただひとつ。
ビールと共にたのみます。
あとは待つのみです。
先にビールがきます。
冷えてます。
まさにキンキンという言葉がぴったりときます。
あ〜うめ〜。
こんなに冷えたビールを飲むのはいつ以来でしょうか。
昨晩のビールも美味かったが、それ以上。
ビールは、よし!
次はいよいよ主役の登場。
そして、ウェイターがこれまたうやうやしく出してきました、お待ちかねのステーキ。
イメージしていたよりもでかい。
肉の上には、甘くなるまで炒めている玉ネギがのっていて、なんともいい匂い。
いいねぇ。
フォークとナイフで切り分ける。
そして、その肉を口の中に放り込む。
肉だ。
噛み応えのある肉。
とろけるように柔らかい肉ではない。
しかし、それでも美味い。
6年前の光景が脳裏に横切ります。
そして、目の前のドミニクも満足そう。
あぁ、来て良かった。
オリパブよ、永遠に。
| sin | インド2 | 15:47 | comments(0) | trackbacks(0) |


コルカタよりデリーへ列車で一気に移動します。
夕方6時半に出発して翌日の夕方5時に到着するという長い旅です。
座席はいつものように2等寝台です。
思い切ってエアコン付きの寝台にしようかとも思ったのですが、やはり倍以上する値段を払うことはできませんでした。
いつになったら優雅な旅ができるのでしょうか。

列車は6時半ぴったりに出発します。
幸先良いです。
同じコンパートメントの僕以外の乗客はインド人らしき3人組の若い男の子と2人組のおっちゃんでした。
彼らは僕が列車に乗り込んだ時から、興味津々といった感じでじっと見てきます。
そして、列車が走り出してしばらくすると、やっぱり話しかけてきました。
「どっから来た?」「名前は?」「どこに行くの?」
まるでバングラデシュにいるみたいです。
今度は僕が訊いてみます。
「君らもデリーに行くの?」
「うん。」
「デリーに住んでいるの?それともコルカタ?」
「いや僕らはみんなバングラデシュから来てるんだ。」
あっ、やっぱり‥‥。

列車に乗っていると、さまざまな物乞いがやってきます。
足がない人、手がひん曲がっている人、目が見えない人、床を掃除する人、ただ貧しそうな人。
僕はほとんどお金を渡しませんが、他のインド人は毎回ではないのですが、案外と渡していたりします。
しかし、ほんのわずかな額なので、物乞いの人もそれなりのお金を集めるのは大変な労力が必要だと思います。
物乞いも楽な商売じゃなさそうです。
しかし、そんな物乞いの中でもかなりの勢いで稼ぐ一団がいます。
彼らがやってくると、乗客は一瞬ざわめき立ちます。
そして、ポケットをまさぐりお金を用意します。
いつも払わない人でさえしっかり手にお金を握っています。
その一団は僕らのそばに来ると、笑顔ひとつ見せずにじろっと見渡します。
みんな先を争ってお金を手渡します。
普通物乞いの手にはわずか数枚のコインが置かれているのですが、彼らの手にはたくさんの札が握られています。
それでも彼らはお金をもらってもやはり当然とばかり笑顔ひとつ見せることはありません。
彼らはいったい何者なのか?
彼らは、体はごつく、長い髪を持ち、インドの女性の民族衣装サリーを身にまとい、口紅もつけています。
オカマ?
彼らはお金を出さない僕に、なんであんた払わないのよ〜という感じで頭を撫でつけてきます。
あぁ、勘弁してください。
しばらくすると、なによあんた、ふんっ、といった感じで次のコンパートメントへと移っていったのです。
いったいなんなんだやつらは。
そして、なんでみんな素直にお金を払うのだ。
インドのオカマは偉いのか?

インドの北部は4月5月が年間で一番気温が高くなります。
50度近くまで上がるときさえあるらしいのです。
そうなると昼間は出歩くことは不可能で、ただ家の中でじっとしているしかないといいます。
今はそんなに暑くないとはいえ、30度は余裕で越えています。
車内の温度も太陽が高くなるにつれ、だんだんと上昇していきます。
晩、朝と開けられていた窓も、いつの間にか全て閉じられています。
それもそのはず外から吹き込んでくる風は、涼しいってもんじゃなく、熱風であります。
車内の温度は39度近くまで上がっているので、外はもっと暑いでしょう。
ぐったりしてきます。
乗る時に持ち込んだ水は既に全部飲み干してしまっています。
こんな時に限って水を売りに来ない。
み、水‥‥。

夕方4時を回ると陽も低くなり、暑さも随分とましになってきました。
しかし、日中の暑さにやられたのかみんなぐったりとしていて、車内には気だるい空気が充満しています。
到着まで、およそ後1時間。
少し遅れても2時間くらいか。
横に座っていた若いバングラデシュの男の子が僕にのっそりと近づいてきて言いました。
「列車、予定よりだいぶん遅れているみたいだよ。」
そして、虚ろな目をして続けるのでした。
「7時間くらい。」
え!?

‥‥‥‥‥。
| sin | インド2 | 16:35 | comments(0) | trackbacks(2) |


デリーにはマクドナルドがあります。
となれば旅する国にあれば一度は食べに行くようにしている僕としては、行かないわけにはいかんでしょう。
しかし、ここインドのマクドナルドは今までの国よりもいっそう僕の心を浮き立たせます。
なぜなら、ここはヒンドゥーの国。
すなわち牛肉を食べない国なのです。
それでは、ハンバーガーの重要な要素である肉はどうなるのか。
それはビーフのかわりにチキンを使うのです。
それはいったいどんな味がするのか。
実は6年前も食べたことがあるのですが、その時の記憶がほとんどないのです。
食べたことは覚えているのですが、美味かったのか不味かったのかはっきりしません。
いやいや最近、物忘れがひどくなってきましたねぇ。
でも、忘れたおかげでこうして再びわくわくとマクドナルドに向かうことができるので、それはそれでよしとしましょうか。

マクドナルドには1時半過ぎに到着しました。
そんな時間なのに店内はお客でいっぱいです。
席もほとんど埋まっているのですが、一人だしどうにでもなるかと思い、カウンターに注文しにいきます。
注文するのは、その名もマハラジャチキンマック。
インドらしくていいじゃないですか。
見た目はビッグマックとほとんど一緒で、ただビーフがチキンに変わるってだけです。
セットを注文します。
フライドポテトができあがるのをしばらく待たされます。
でも、揚げたてが食えるのでよしとします。
商品を受け取り、席に座ろうと辺りを見渡しますが、やっぱりどこも空いていない。
困ったなぁと思っていると、係員のおっちゃんがここに座れと爽やかなインド人カップルが座っている4人がけのテーブルを案内してきます。
いいのかなと少し遠慮していると、そのカップルもどうぞどうぞというので座らせてもらうことに。
これでいよいよ食べることができます。
まずはコーラで喉を潤します。
そして、ハンバーガーを手に取ります。
ゆっくりと包装紙をめくっていきます。
う〜ん、美味そう。
それでは、いただきま〜す。

パク。

ん!?
これは‥‥。
うま〜〜〜く、な〜〜い。
チキンのパテにはインドらしくマサラの味付けがしてあるのですがそれがまったくジューシーでありません。
作ってから時間が経ちすぎているのか。
う〜ん、6年前もこんな味だったのか。
いったいあの僕のわくわくドキドキの期待感はなんだったのでしょう。
やっぱりちゃんと覚えとかないといけないですね。
そうは言っても、いつの日かインドに来て同じようにわくわくしてまた来てしまうかもしれませんが‥‥。
| sin | インド2 | 15:28 | comments(0) | trackbacks(1) |


デリーでは一日過ごしただけで、すぐにリシュケシュに移動します。
リシュケシュは今回の僕のインドの旅のハイライトと言ってもいいでしょう。
それはインドではヨガをするっていうのが、今回の旅の一番の目的であったからです。
リシュケシュは「ヨーガのふるさと」として知られており、アーシュラムというヨガの道場・僧院がたくさんあり、多くの外国人がヨガを学ぶために滞在しているのです。
デリーからバスを乗り継ぎ、8時間ほどで到着します。
どこのアーシュラムでヨガをするのか迷いましたが、初心者向きのやさしい所を選びます。
なんていったって僕の体の硬さは尋常ではありません。
足をまっすぐに伸ばし前屈しても、指先はつま先よりはるかかなた。
そんな僕が足をあっちに手はこっちにと中国雑技団のようなポーズができるわけがありません。
一歩一歩こつこつとです。
ここには10日間滞在して、朝、夕に1時間半づつみっちりとヨガをやる予定です。
とりあえず明日から始めようかと考えていたのですが、今日の夕方5時の回からも参加できると聞き長時間の移動で疲れてはいたのですが、さっそくやってみることにします。

道場に入ると参加者は思っていたよりも少なく、全員で5名しかいません。
少し高くなった前のステージの上には、ほっそりとした30歳くらいの若い男の先生がいます。
僕は入り口でしばらく中を見渡した後、ステージから離れた後ろの方にこっそりと隠れるように座ります。
果たしてどんなものなのか。
ちょっとどきどきします。
ヨガは軽い瞑想のようなものから始まります。
そして、呼吸をしっかりとさせられます。
呼吸はヨガにおいて大切なもののようです。
そして、ゆっくりとヨガが始まります。
ストレッチのようであり、それ程むちゃなポーズをさせられることはありません。
できなくても無理やりやらされることもありません。
しかし、それでも体中がぎしぎしと軋んでいるような感じがします。
硬いとは思っていましたが、これほどとは思わなかったです。
横を見ると、長くヨガを続けているような女の人が軽々とポーズをこなしています。
同じ人間なのになぜこんなにも違うのでしょうか。
それでもイテテテテアテテテテと痛みにもだえ苦しみながらやっていると、体がだんだんと温まってきてしっとりと汗ばんでくるのが分かります。
気持ち良いといってもいいかもしれません。
これを毎日続けていけば僕も横の女の人のようにやわらかくなるのでしょうか。
よし、頑張るか。
ヨガも終わりに近づいてきました。
仰向けに体を真っ直ぐにして横たわり、そこから足、腰を上げていき、首の後ろを支点にしてまっすぐに立たせるというポーズをとらされます。
おお〜くる〜。
そして、そこから足を頭の方に下ろしていき、つま先を床につけるという体勢に移行していきます。
いててててて。

ぐきっ!!

あっ、首の後ろの筋肉が‥‥。
ヨガ修業、前途多難であります。
| sin | インド2 | 15:34 | comments(0) | trackbacks(0) |


突然それはやってきた。
ぐるぐりぐりゅぐる〜。
僕はあわててトイレに駆け込む。
あああぁぁぁぁぁ。
いったい何が悪かったのか。
夕食で食べた屋台のターリー(インドの定食)か。
それとも、その後に飲んだ牛乳か。
くそ〜、僕がいったいなにをしたっていうんだ。
とりあえず出すものは出したんで、部屋に戻る。
ベッドの上に座り一息つく。
なってしまったもんはしょうがいない。
しかし、こうなってしまうと、食べる、飲むことが怖くなってくる。
時刻は夜の9時。
夕食は済ませているので今のところ食べる方は心配ないのだが、問題は飲む方。
現在、気温は32度。
これだけ暑いと、もちろん汗をかき、そして、もちろんのどが渇く。
どうしよう。
ちょっとだけ飲んでみようか。
ちょっとだけ‥‥。

30分後。
ぐるぐるぎゅりりるる〜。
きたきたきた〜!!
ああああああぁぁぁぁぁ。
う〜む。
これはまいった。
誰がなんといおうとこれは完全な下痢である。
水も安心して飲めないとは。
そして、これでは安心して放屁もできぬ。
あっ、屁が出そうだと下腹部に力を込めてぶっぱなそうとして、それが屁以上のものが出てしまったら大惨事となってしまう。
この歳にして、大惨事は是非とも避けたい。
なのでなんとも微妙な繊細な感覚が必要となってくるのです。
なんで屁ひとつでこんなに気を使わないといけないのだ。
下痢のばかやろう。

何度もトイレに行かねばならず、まんじりともせず一夜を明かしたのでした。
そして、朝のヨガのクラス。
すでに何回かやってきたので、だいぶん慣れてはきましたが、やはり痛い。
ぎしぎしと体中がきしんでいます。
時間が経つにつれ、やはりうっすらと汗がにじんできます。
しかし、いつもの心地良い汗とは少し違う。
冷や汗といいましょうか。
貧血状態になったように顔が冷たくなり、くらくら〜っとしてきます。
ぐりゅぐりぃるるぅ。
ああ〜きた〜。
もう、だめ〜。
ト、トイレ‥‥。

ヨガと下痢の無間地獄。

| sin | インド2 | 14:39 | comments(0) | trackbacks(0) |


いよいよヨガを始めて10日が経ちました。
ということで今日が最終日となります。
よく頑張ってきたもんです。
背中の痛みにも負けず、下痢にも負けず、暑さにも負けず、雨にも負けず(雨なんか降ってませんが。)、風にも負けず(風なんかも吹いてませんが。)、日々ぐいぐいぐりぐり曲げてひっぱり続けてきました。
その甲斐もあり、前屈をして指先が地面に届くようになりました。
ラクダのポーズのようなきつい体勢も長時間できるようになりました。
体幹部分が鍛えられて背筋がしゃきっと伸びたようにも感じます。
そして、腹回りも少しすっきりした気がします。(よしっ!)
これは体を動かしたのもあると思いますが、食べ物の影響も大きいと思います。
というのも、ここリシュケシュはヒンドゥー教の聖地であるため、レストランは肉や卵を使わないベジタリアン料理しか出さないのです。
それに加えて下痢と暑さのため食欲もなくして食べる量も減ったとくりゃ、痩せないわけはないでしょう。
健全な魂は健全な肉体に宿るといいますが、気分もすっきりとして気持ち良いもんです。
問題はただひとつ。
この体をいつまで維持できるかってことです。
難しいですねぇ。
ちなみにすっきりしまった体というのは、あくまでも以前の僕の体と比較してということを、非常に残念ながら付け加えさせて頂きます。
| sin | インド2 | 14:26 | comments(2) | trackbacks(1) |


リシュケシュよりマナリーへ移動します。
いったいどうやって行けばいいのか分からなかったので、旅行代理店の人に尋ねます。
するとここからの直通のツーリストバスはなく、いったんここからバスで一時間ほどの場所にあるハルドワールという町まで行き、そこからローカルバスに乗らなければならないとのこと。
ハルドワールからマナリーまでどのくらいかかるかと訊くと、だいたい8時間くらいで着くのではないかということ。
それなら早朝にここを出発すれば、なんとか夕方には着きそうです。

そして、朝9時にハルドワールに到着しました。
マナリー行きのバスは9時45分のがありました。
ちょうどいい感じです。
どのくらいで着くのかチケット売り場の人に訊いてみます。
答えは‥‥。
シックスティーン。
えっ!?シックス?
ノー!シックスティーーーーーーン!!
おいおい旅行代理店の兄ちゃん、全然違うやないか。
インド人〜。
ちょっと待てよ、16時間かかるってことは、10時前に出発なんでそれに16を足すと‥‥え〜と‥‥12時間後が夜10時なわけで更にそこから4時間かかり‥‥‥え!?夜中の2時頃!?
は〜ぁ、勘弁して欲しいです。

バスはローカルの名に相応しいぼろっちいもの。
一列5席で、リクライニングなし、そして、もちろんエアコンもなし。
16時間、無我の境地になり耐えるのみです。
乗客にはたくさんのチベット人がいます。
北に向かうことを実感します。
バスはほぼ予定通り10時頃出発します。
がたがたと揺れながら走っていきます。
乗り心地ははなっから期待はしていなかったのですが、気温が高いのがつらい。
暑さでぼぉ〜っとしてきます。
そうして窓の外をぼぉ〜っと眺めていると、マナリー300キロとかかれた標識が視界に入ってきます。
300キロ?
時速50キロで走ったとしたら6時間で着くじゃないか。
今が2時なので、もしかしたら夜8時くらいに着くのか?
少し希望の光が見えてきました。
でも、インドでそんな甘い話はあるわきゃない。
それからがなかなか距離が減らない。
6時を過ぎても、残り200キロの表示が出ています。
4時間走って、100キロほどしか減らないってどういうこっちゃ。
いったいどういう道の走り方をしているのだ。
そして、日も沈み暗くなり、道は急な上り坂へと変わり、バスはさらにスピードを落とすのでした。
はい、少し早く着くんじゃないかというささやか願いはきっぱりとあきらめました。

いつの間にか眠っていたようです。
バスが揺れ、窓に頭をしたたかに打ちつけ、目を覚まします。
うっ、寒いです。
回りを見渡すと僕以外の乗客はみな厚手の服を着込んでいます。
半そでなんて僕だけです。
何か着ようにも荷物は全て屋根の上に載せてしまっています。
ああ、寒い寒い。
これだけ寒いということは、ずいぶんと高い標高まで上ってきたのでしょう。
もうマナリーに近そうです。
そして、2時半、マナリーに到着。
本当に16時間ほどで着きやがる。
なんでこんな時にはちゃんと時間通りに着くのだ、インドのバス。
僕に嫌がらせをしているとしか思えません。
しかし、この2時半という時間もまた微妙な時間ではあります。
これが12時くらいならあっさりとホテルに泊まろうとするのだが、この時間になると朝までのわずか数時間のために一泊分の料金を払うのもなんか馬鹿らしい。
しかし、朝まで外で過ごすにもまた長すぎる時間でもあります。
さて、どうしよう。
バックパックの中には寝袋は入っている。
ほとんど使ったことはないのだが、念のため夏用のすごく薄いものを持っているのだ。
せっかく持っているのだから、たまには使うとするか。
ということで朝までバススタンドで寝ることにします。
ベンチの上に寝袋をひろげもぐり込みます。
寝袋の中はあったか〜いということはなく、薄い布を通して冷たい外気が容赦なく染み込んでくるのでした。
昼間はあんなに暑かったのに、なんで同じ日の夜にこんなに寒い思いをするのだ。
しかし、ああ〜寒い寒いと思いつつ、いつの間にか深い眠りに落ちていたのでした。
| sin | インド2 | 23:39 | comments(2) | trackbacks(0) |


マナリーは標高約1900mに位置する白い雪を頂く山々も近くに見ることができる避暑地です。
今の時期は昼は暖かいのですが、朝晩は20度くらいまで冷え込みます。
特に見所ってほどのものはないにですが、ただ涼しいってだけで嬉しいものがあります。
朝までぐっすりと眠ることもできます。
そして、ここにはチベット料理もあり、肉も食べられます。
リシュケシュではずっとベジタブルカレーばかり食っていいかげん飽き飽きしていたので、これもまた嬉しいことです。
しかし、久しぶりに肉を食う時は、高校生が隠れてタバコを吸うような、ちょっといけないことをするような気持ちがしました。
これならもしかしてベジタリアンにもなれるかなと少し思うのですが、やはり血のしたたるステーキや甘辛いタレが染み込んだ焼肉のことを想像すると、やはり絶対無理だということに気づくのです。
I LOVE 肉 です。
そして、気候が良い、肉が食えるに加えて、ここの良いところがもう一つあります。
それは、お・ん・せ・ん。
いつも温泉、温泉と騒いでいますが、湯船につかる機会があまりない旅の途中において、温泉というのは思わずヨダレまでたれるんじゃないだろうかとも思うかなりの魅力的な響きを持っている言葉なのです。
そんなことで、さっそく温泉にレッツゴーです。

温泉は、正確にはマナリーではなく、町から3、4キロほど離れた場所にあるヴァシシュトという小さな村にあります。
そこは旅人の長期滞在者も多い山腹にあるのどかな所です。
そこへバスタオル一枚を持ち、散歩がてら歩いて向かいます。
川沿いの幹線道路を歩いていくと、1時間ほどで到着します。
温泉は小さな寺院の中にあります。
そして、嬉しいことに無料です。
無料、なんていい響きでしょう。
温泉は高い塀に囲まれ天井のない露天風呂です。
それほど大きくはありません。
中に入ると白人の太ったおっちゃんが一人しか湯船に浸かっていません。
たくさんいるインド人はほとんどが浸かることはせず、周りを歩くだけか、足をつける程度です。
あまりお風呂に浸かるってことが一般的でないのでしょうか。
僕は、さっそく服を脱ぎます。
はたして湯加減はどんなものでしょうか。
海外の温泉というのは、普段浴槽に浸かるという習慣がないからか、たいていは温度が低めのことが多いのです。
日本人の僕にとって少し物足りません。
ここはどうか。
まぁ、たいしたことはないと思いますが。
右足からそろりとお湯の中に入れてみます。
お!?
意外と熱いやないか。
次に左足、そして、腰まで浸かっていきます。
おうおうおうおうおう。
なかなか熱くていい感じやないか。
そして、さらに体を沈め肩まで浸かります。
おりょりょりょりょ。
う〜ん、なかなかやるのぉ。
でも、日本人たる僕にとってはこれぐらいがちょうどいいわ。
もうちょっと熱くてもいいかな。
でも、ちょっと外に出ようかな。

ふ〜。

まぁ、今日はこのくらいにしとったろうか。
| sin | インド2 | 21:29 | comments(3) | trackbacks(0) |


マナリーの西にあるダラムサラに来ました。
ここもまた万年雪を頂く高い山々を見ることができる標高1700mほどに位置する涼しい所です。
しかし、ここには避暑のため訪れたわけではありません。
ここは1959年チベットが中国に武力併合された結果、チベット仏教の法王として定められているダライラマ14世がインドに亡命してきて定住している所なのです。
現在では亡命チベット政府の拠点となる場所となっています。
ですからここはチベット人がたくさんいて、チベット仏教の僧侶もたくさん道を行き交い、インドではなく完全にチベットという雰囲気になっています。
また現在のチベット文化の中心地であるためか、たくさんの旅人もまた世界中から集まっています。
そのため旅行者向けの宿やレストラン、またヨガや瞑想を教えるクラスなどもたくさんあり、気候の良さとあいまって旅人にとって居心地の良い場所にもなっており長期滞在者もたくさんいます。
嬉しいことに美味しい日本食レストランもあり、日本語の本もたくさん置いてあるので、そこではついついのんびりしてしまいます。
またこのレストランには日本人意外にも多くの欧米人のツーリストも来ているのですが、みんな意外にうまく箸を使って食べているのは、やはり仏教、東洋に興味があるからなのでしょうか。

こんな感じの町を歩いていると「フリーチベット」と書かれた張り紙や看板がよく目に入ります。
そして、今年3月にチベット各地で起こった暴動により中国軍に殺された人々の写真も掲げられています。
その写真は、銃で撃たれ血を流す惨たらしいものです。
暴動が起こってそれが中国によって鎮圧されたということはニュースで知っていましたが、こうして写真として視覚で認識するとその悲惨さがよく理解できます。
少しでも早くチベットの人々の願いがかない安心して暮らせるようになって欲しいと思います。

フリーチベット!!
| sin | インド2 | 03:34 | comments(0) | trackbacks(1) |


世界を旅していると、こんなんで生活できるのかと不思議に思う商売があります。
まず思い浮かぶのが、「靴磨き」。
これは子供がやっていることが多いのですが、肩から靴磨き用品一式をぶら下げお客を探しうろうろしています。
あまりお客がいないのか、サンダルを履いた僕にまで声をかけてきます。
いったいどこを磨くっていうんでしょうか。
なかなか頼む人なんていないんじゃないかと思うのですが、たまに磨かしているおっちゃんがいるので驚きです。
そんな時、一生懸命にまた嬉しそうに磨いている子供たちを見るとちょっとほっとした気分になります。
そして、その靴磨き以上に不可思議な商売があります。
それは、「体重計屋」。
文字通り体重をはかる商売です。
通りに体重計を一つ置き座っています。
体重計も体脂肪率が計れるような最新の機能はもちろんなく、ただ単に体重をはかるだけのシンプルなものです。
こんな商売、一家に一台は体重計のある日本じゃ絶対考えられないものです。
はたしてこれは本当にビジネス?として成り立っているのでしょうか。
僕は実際に体重をはかっている人を見たことはありません。
ほんとお金を払ってまで体重をはかる人の顔を見てみたいもんです。

で、はかってみました、このわたくし。
はい、お金払って、体重計のりましたよ。
町を歩いていると体重計屋を見かけたので、あぁまたいるなと思ってそのまま通り過ぎようと思ったのですが、ふと今いったい体重がどのくらいなのか気になったのです。
ここしばらく体重をはかったことはありません。
確か最後にはかったのは昨年の8月ペルーでの宿ででしょうか。
その時は80キロくらいだったでしょうか。
それがここしばらくのヨガ、菜食生活でいったいどのくらい減っているのか。
自分の感覚からすると77キロくらいといったところでしょうか。
2ルピー(約5円)払い、靴を脱ぎ、ウェストポーチもはずし、恐る恐る体重計にのってみます。

80キロ‥‥。
えっ‥‥!?

納得いきません。
体重計からおり、精神集中を行い心を落ち着け、そしてもう一度ゆっくりとのります。

80キロ‥‥。
な、なんで‥‥‥??
| sin | インド2 | 15:51 | comments(8) | trackbacks(5) |
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