チトラールのすぐ南にあるカラーシュバレーに移動します。
乗り合いジープで1時間ほど走ったところにあります。
チトラールよりさら高くなり標高は2000mあまりにもなります。
ここまでくると涼しいというよりちょっと寒いといった感じになり、水シャワーを浴びるのはちょっとした苦行のようになります。
ここにはカラーシュ族の人々が暮らしています。
イスラム教が強く浸透していったパキスタンの中で独自の文化を保ち続けている人々です。
彼らは文化だけではなく、その容姿も他のパキスタン人とは全く異なります。
アレクサンドロスの遠征軍の末裔と言われるくらい(実際はそうではないらしい)目が青くて金髪である人が多く、どこかヨーロッパに国の人たちといった感じがします。
そして、女性は肩まわりと袖、裾に赤や青や黄色など鮮やかなステッチがほどこされている黒いドレスを着て、頭には貝やコイン、ビーズなでで飾られた美しい頭飾りをしています。
ムスリムでないので彼女らは人目を避けることもなく、そんな彼女らの美しい姿を充分に堪能することができるのです。
やっぱり女の人は隠れちゃいけません。
方や男はというと、チトラール帽という独特の帽子を被っている人はいますが、それ以外は他のパキスタン人とほとんど一緒の服装であり、地味でまったく面白味がありません。
完全に女性の引き立て役になっています。
これはある意味男の鏡と言っていいのか?
そんなカラーシュバレーに来たのですが、嬉しいことにちょうど祭りが開かれます。
ここでは毎年5月の中頃に大きな祭りが開かれることで有名なのですが、今年は既に終わっており見ることは諦めていたのですが、なんと規模は小さいものの今日も開かれるというのです。
全く期待していなかったので嬉しいです。
どうやらカラーシュ族の人はお祭りが大好きでちょくちょくやっているようなのです。
1時前に祭りが開かれるという広場に行きます。
まだ集まっている人は少ないけれど、おっちゃん二人が首から小さな太鼓をぶら下げリズムを奏でています。
そして、そのリズムにあわせその周りを男女別に何人かで肩を組みぐるぐると回り踊ります。
難しい振り付けはなく、ただただ老若男女みんな楽しそうに笑い踊っています。
そして、ここでも目立つにはやはり女性です。
男は踊るというより立ち話をしていることの方が多く、踊りの中心はやはり女性になります。
一人でも綺麗な衣装なのに、それが大勢集まるとその光景は壮観なものがありまs。
思わず写真をパチリパチリ撮りまくってしまいます。
最初は少なかった人の数も時間が経つにつれどんどん増えていき、踊りの輪も大きくなっていきます。
これで小さい祭りっていうのですから、5月半ばに行われる祭りってのはいったいどんなものなのでしょう。
祭りは他には特別なことをするってこともあまりなく、同じように踊り続けるだけです。
それでも美しい女の子を見ているのは楽しく飽きません。
特に10代の女の子の可愛さは筆舌につくし難いものがあります。
おっちゃん、なんでも買ってあげようかと言っちゃいたくなります。
しかし、大人の女性はというとあんまり美人じゃないんです。
もちろん衣装は色鮮やかできれいなんですが、顔はしわが深く刻まれたおばちゃんなのです。
少女からあっという間におばちゃんになるといったかんじです。
美しい20代がないとも言えるかもしれません。
ここの女の子は10代で結婚するらしいのでそのせいか、はたまたDNAのせいなのかよく分かりませんが、不思議な感じがします。
祭りは夜8時ごろまで続きます。
夕方になると天気も曇り風も強く吹き始め少し肌寒くなってきましたが、それでもみんな心から楽しそうに笑顔を見せています。
ただ踊るってだけでこれだけ幸せそうに楽しめるってちょっと羨ましいなと思いました。