朝起きて、宿のすぐ近くにあるブラジル領事館へ行きます。
前日申請しておいたブラジルのビザを取りに行くのです。
南米を旅する時にほとんどの国ではビザをとる必要がないのですが、唯一ブラジルだけがビザが必要なんです。
ヨーロッパ諸国の人たちは必要ないっていうのに、日本人はいるのです。
しかも70ドルほども払って。
腹立たしいことこの上ないです。
アメリカ人は100ドル払わないといけないので、それに比べればまだましですが。
では、なんでパラグアイのこんな小さな田舎町で取るのか。
それは、この街がこの周辺で一番ブラジルビザが取りやすいのです。
例えば、アルゼンチンのブエノスアイレスで取ろうと思うと、必ず出国用の飛行機やバスのチケット(そんなものもってない!)が必要になってきますし、プエルトイグアスの町で取ろうとすると30日滞在のビザしかもらえない。
しかし、この町ではチケットもなしで90日のマルチビザが簡単に取れてしまうのです。
同じブラジル領事館だというのに不思議なもんです。
朝8時から12時の間に来いって言われてたので、9時頃行ったら急にばたばたしだして11時にもう一度来てくれって。
おいおい俺のビザのこと忘れてただろ〜。
でも、黒人の太った愛嬌あるおばちゃんに免じて笑って許してあげる。
そうそう領事館では笑顔を大切にしなきゃね。
11時に再度行くと、今度はちゃんとパスポートの中に90日のマルチビザが貼ってありました。
ブラジルビザ、ゲットー!!
昼からは、この町の郊外にあるトリニダー遺跡へ。
実はここに行くのを前々からちょっと楽しみにしてました。
ガイドブックによると、「人々がほとんど訪れない世界遺産の内のひとつ」であるからです。
どんなところじゃ、それは。
バスに乗って40分ほど、道路沿いの小さなバス停に降ろされます。
そこから歩くこと15分ほど、見えてきましたトリニダー遺跡。
この遺跡、先日行ったポサダの近くのイグナシオンミニと同じ時期に作られた教会跡です。
入り口には男の人、女の人が一人づつ暇そうに話をしながら座っています。
入場料は5000G(約120円)。
いいぞパラグアイ、この価格。
もちろん外国人料金ではない。
アルゼンチンとはえらい違いだ。
天気はあいにくの曇り空。
たまに小雨が降り出してきて遺跡の下で雨宿りしながらの観光。
2、3週間前までこの辺りの最高気温40度を越えていたというから、それに比べれば涼しくていいでしょう。
しかし、ここ、ほんとうに人がいない。
団体客は皆無だし、僕が入場した時には4、5名いた人たちもしばらくするといなくなり、僕ひとりに。
世界遺産をひとりじめ。
開放的な緑の中の遺跡に、ボツンとひとりでいるのは少しいい気持ち。
遺跡自体もイグナシオンミニのものと比べても迫力はこちらのほうがあり、良いように感じる。
もうちょっとみんな来てあげてもいいのになぁと思ってしまう。
途中、小便がしたくなり、ここトイレもないので、罰が当たるかなと思いつつ遺跡内のはじっこの草むらで用を足す。
それだけ、ここ開放感があり素敵な場所でした。
1時間ほど滞在して帰ろうとした時、突然強い風が吹いたと思うとガジャブジャザジャーと大雨が降りだし、さらにピカッドンガラドガーンと雷まで鳴り出す。
あわててそばにあった掘っ立て小屋の軒先に避難します。
しかし、呆れるほどふるもんです。
20分経っても、30分経っても止むどころか、弱まる気配もなし。
夏だというのに、寒くなってきます。
やっぱり小便をした罰が当たったのでしょうか。
すんませんでした。